前回の記事にて、国分寺市のひかりプラザにて保管されている951形新幹線試験車の外観の様子を書かせていただきました。
この951形は0系と少し異なる車両で、高速試験を行うために生まれたもの。0系以降の新型新幹線を作るために生まれました。
現在はこうして市民館のそばで保存されているわけですが、実は車内も公開されており、無料で誰でも入ることが出来ます。
今回はそんな貴重な新幹線の内部についてのレポートです。
前編はこちら
→http://sadahal-lidenskap.com/2020/08/26/2020-08-25/
大興奮の運転室
という訳で車内に入るのですが、なんにせよコロナの影響で入場制限がかかっていました。屋外は灼熱のお盆真っ盛りなんですがそれは…。
もちろん36℃の猛暑の中、わざわざ歩いてひかりプラザまで来た人は私しかおらず、完全な貸し切り状態。入場制限もへったくれもありませんでした。猛暑の功名ですかねぇ…。
車内には乗客用のドアを開けて入ります。特に電気も通っていないので手動です。電車のドアを手で開けるなんて、中々珍しい体験ではないでしょうか?
デッキに入るとすぐに運転室がお出迎え。この運転室も誰でも入れるようになっています。とんでもない大サービスですね。
もちろん運転席にも誰でも座れます。これと前の写真を見ていただければ分かると思うのですが、かなり高い位置に運転台があるのですね。実際に階段を上って運転席まで上がります。
そして運転席から見える景色なのですが、視界がかなり狭い!951形の鼻が長いのと、運転席がかなり高い位置にあるだけに地面もほとんど見えず、中々運転し辛そうな構造になっています。
0系よりも鼻が大きくせり出している951形の特徴がここでも良く分かります。
そして、子供達憧れの運転台です。このマスコンとブレーキもいじりたい放題です。こんなの絶対子供たち興奮するでしょ。
また運転台もボタンばかりでアナログを感じますね。現在のディスプレイ運転台とは大違いです。
スポンサードリンク涎ものの資料室
それでは運転室も見たので資料室の方に参りましょう。資料室は951形の客室部分を改装して作られています。座席類は一部を除き撤去。その代わりにビデオ台や資料の陳列棚やジオラマが置かれ、951形を始めとする新幹線の歴史的な資料を展示sて言います。
そんな951形資料室で最も大切な展示品はこちら。1972年に達成した世界最高速度達成の記念プレートです。
前編でもお話しましたが、951形は当時世界最高速の286km/hを記録した栄誉ある車両。新幹線試験車の中では思ったような活躍が出来なかった不遇の車両でもありましたが、こうしてしっかりと栄えある記録を残しているのです。
そして隣には7年後に951形の後継機“961形”が当時の世界最高速である319km/hを記録したときの記念プレートがあります。961形は東北新幹線向けに作られた高速試験車で、951形の試験を元に設計されたもの。現在の東日本新幹線の基礎となった車両です。
この951形の車内には先輩と後輩が作り出した輝かしい功績がこうしてプレートとして展示されているのです。
他にも資料館内には新幹線開発時に検討されたであろう模型類も数多く展示されています。風洞実験などに使われたのでしょうか?下の写真の新幹線のデザインは初めて見た気がします。このような形の新幹線が走っていた世界線もあったのでしょうか。
座席も一部残されていました。このような配色の椅子は初めて見ました。見た目的に新規の機構の座席を試していたのでしょう。座ってみましたが、結構座り心地が良かったです。
座席の後ろにはジオラマがありました。現在はコロナの影響で動作がストップしていますが、通常時ならボタンでジオラマの模型車両が走る仕組みになっているみたいです。
子供にとっては嬉しい展示ですね。
他には雑誌類などが集められており、棚に並べられていました。ですが、これもコロナ云々で触れず…。どんな資料が置いてあったのですかね。読んでみたかったです。
ちなみに中間車側のデッキにも入ることが出来ます。ここから外に出ることも可能。
スポンサードリンクもう一つの資料室
ここまで951形の車内を見てきましたが、実は資料室になっているのは951形の車内だけではありません。
ひかりプラザの本館にも951形や新幹線に関する資料室が設けられており、こちらも無料で見学できます。
こちらでも、試験の過程で作られた模型や新交通システムの概要などが紹介されています。大規模な博物館にはない独特の展示内容なので、これまた見ていて不思議な気分になります。
以上、951形の車内見学録でした。新幹線の試験車であり、かなり貴重な車両でありながら、内部を無料で見学出来てしかも、運転台に入れるというかなり楽しい内容の保存車両になっていました。
加えて屋外展示でありながらも外観の保存状態がかなり良く、市民の皆さんから非常に愛されてきたのも良く分かります。さび付いていたらがっかりですからね。こうしてきれいな状態でご対面できるのも嬉しいものです。
ですが、保存費の捻出も並大抵のものではなく、2020年8月~12月にかけて修繕費を募るクラファンをしているそうです。ご興味のある方は是非とも調べて見てください。
それでは今回もお読みいただきありがとうございました!皆さんも国分寺に来たら是非とも951形に会いに行ってくださいね!