久々の韓国語の企画です。今回はあの国民的漫画のドラえもんの韓国語版について書きました。
ドラえもんと言えば日本の漫画、いやモダンカルチャーの代名詞的存在。そんなドラえもんが韓国ではどのように読まれているのか。ちょっと覗いてみましょう。
各国版ドラえもん。左から韓国、台湾、日本
やっぱり舞台は韓国に直されてる
はい、容赦なくドラえもんも韓国が舞台の漫画に直されています。
韓国で日本文化が解放されて初期に入ってきた漫画ではあるとは思うので、現地ローカライズされていてもおかしくはないのですが、果たして…。
韓国版ドラえもんは漫画、アニメともに舞台を韓国にローカライズし、キャラクターの名前も韓国人名に変更されています。舞台はソウルになっています。ただし、話の内容は日本語版とほとんど同じです。
では各キャラクターの韓国人名を見ていきましょう。
各キャラクターの韓国人名
ドラえもん→ドラエモン
我らがドラえもんは「ドラえもん」のままです。これだけは絶対に変えられなかったのでしょうね。なんだか日本人としては一安心です。トンチャモンは忘れろ。
しかし、ドラえもんだけが日本由来の名前なので韓国版ドラえもんにおける名前の日本語感がハンパじゃないです。日本の会社が作って韓国の少年宅に送り込まれたロボットみたいになっています。
野比のび太→ノ・ジング
ドラえもんの主人公たる野比のび太は「ノ・ジング」という韓国人名が与えられています。苗字に「ノ」を持ってきたあたり野比のび太感がありますね。
ぱっと見普通の名前っぽいですがこの「ジング」、「塵」って意味ですからね、ひどい。確かにのび太は勉強も運動も出来ない顔もパッとしないぐーたらなダメ人間ではありますが(オイ)、「ジング」の意味を調べた時は結構衝撃的でしたね。
ただし「ジング」に漢字を当てはめると「神功」などが当てはまるので割としっかりした意味も備えているのではないかと思います。
だとすると裏表のあるなかなか面白い名前ですね。「神功」で成長の意味を込めて「塵」で現実ののび太像を反映するみたいな。
ジャイアン→マン・トゥントゥン
ガキ大将のジャイアンこと剛田武は「マン・トゥントゥン」の韓国人名が与えられています。ジャイアンのあだ名も武の本名も、共通して韓国語版での本名の「トゥントゥン」に置き換えられています。「ジャイアン」に当たるあだ名は用意されていません。
そして「トゥントゥン」の意味でですが「ぽっちゃり」が一番適切な訳になります。つまり体つきが大きい様を表すんですね。まんまジャイアンな名前です。
骨川スネ夫→ワン・シビル
嫌味なおぼちゃまの骨川スネ夫は韓国語版では「ワン・シビル」と呼ばれています。「シビル」も「ジング」と同じように裏と表の意味があります。
まず表の意味から。「ビシル(備悉)」は「ある事情についてことごとくよく知っていること」を意味します。噂好きのスネ夫らしい名前ですね。
一方の裏の意味は「よろよろ・ひょろひょろ」という意味。実際スネ夫は立ち回りがうまいだけで喧嘩したらのび太の方が強いと言われています。特に劇場版では弱虫な立ち位置になるため、「ひょろひょろ」と言った雰囲気のキャラクターに受け取られやすいのでしょう。それがこの「ワン・シビル」という名前なのだと思います。
源静香→シン・イスル
みんなのアイドルしずかちゃんの韓国人名は「シン・イスル」。「イスル」は韓国語で「露」を意味し、透明感のある名前になっています。
女性らしい綺麗な名前ですね。
出木杉英才→パク・ヨンミン
なんでもできる秀才出木杉君の韓国人名は「パク・ヨンミン」。「ヨンミン」は感じで「明敏」と書き頭が切れるさまを表す言葉です。まさに出木杉君のために付けられたような名前です。
と、韓国語版ドラえもんのキャラクターの韓国人名について解説していきました。次回は私が現在所有している韓国語版ドラえもん12巻から韓国でドラえもんがどう読まれているか解説していこうと思います。