アンニョンハセヨ。韓国語に偏見はないけど韓国アイドル特集で「韓国アイドルペン(=韓国語で「ファン」)」と書かれているのを見ると妙に腹が立ってしまう石川定治です。
韓国語知らない人にペンって言っても通じないでしょうが。あれ、不親切だと思うんですよね。それとも韓流ファンならそれくらい覚えとけってか?
そんな愚痴はどうでもよくて、今回は韓国語版ドラえもん12巻を読んでいきます。前回の記事でドラえもんは韓国ではローカライズされており、舞台は韓国に、登場人物は韓国人ということにされているということをお話しました。
では、実際にローカライズされたら物語はどのように変わってしまうのか、その一遍さえ感じていただければ幸いです。
無茶をしてるぞ韓国語訳
はい、上のタイトルが韓国語版ドラえもんを読んだ感想になります。もっとも、大体現地ローカライズされた海外の漫画って大体こんな印象を受けるのですが、ドラえもんはその中でも特にローカライズしちゃいけなかったんじゃないかなと思います。言葉遊びを使う秘密道具多いですからね。
例えばコエカタマリン。
Wikipediaより。(CC-BY-SA2.0、帰属:Wei-Te Wong)
写真も用意しました。そっくりでしょ?そっくりだって言えよ。
と、結構無茶をしているのが韓国語版ドラえもんの印象です。
同じ漫画でも社内恋愛や非SF系の学園ものだとローカライズがうまくいっているケースもあるのですが、どうしてもドラえもんは日本固有の事柄が出てくるので、矛盾やおかしい箇所が生じてしまうんだろうなと思います。
日本大衆文化規制時代のドラえもん
ただ、こうして無茶にでもローカライズされたのはちゃんとした理由があると思います。それが、ドラえもんが日本大衆文化の流入が韓国でまだ規制されていた時代に輸入されて来たものであること。
この12巻、1996年に初版が韓国で出版されたのですが、このとき韓国ってまだ書籍しか日本の大衆文化を輸入できなかったんですよね。
韓国は終戦直後から日本の大衆文化について受け入れを規制していた時代があり、1998年から少しずつ解禁されてきましたが、いまだに規制されているジャンルもあります。
で、1996年は日本の大衆文化が完全に規制されていた時期。書籍の翻訳・出版は可能でしたが、おおっぴらに「日本のものだ」と言えなかったんでしょうね。
完全に予測ですけど、当時の「対日感情」を意識してのローカライズだったんじゃないかなと思います。日本にいい印象がない中でも、韓国にドラえもんを伝えるんだ。そういう翻訳者・出版社の方々の意思が反映されているのではないでしょうか。
実際、物語はほとんど同じなんですよね。正直他に言うことはないです。
なので、韓国語版ドラえもんの翻訳は当時の日本と韓国の状況を表したものではないのかなと思います。
というわけで今回は韓国語版ドラえもんを実際に見てみたのお話でした。