みなさん、いかがお過ごしでしょうか。すっかり秋の季節になってしまいましたね。つい一週間前まで暑かった記憶がありますが、その猛暑もどこへやらです。
さてこの度の9月11日に、埼玉県大宮市にある鉄道博物館に行ってきました。小学生の頃は何度か尋ねていきましたが、それ以降10年近く訪ねていない施設でした。加えて2018年にリニューアルをして初めての訪問。私としても初めてのことばかりのてっぱくとなりました。
それでは今回は新館である「南館」を中心に車両や展示物を見ていきます。
デカデカと鎮座するE1系
鉄道博物館は2018年にリニューアルを受け、南館の新設などの拡張工事を請けました。それに合わせて展示車両の追加搬入も行われ、新規の車両が新しく展示・保存されるようになったのです。
新館である南館は、本館の車両ブースを抜けて、一度屋外に出た先にあります。その道中で、なんだか懐かしい新幹線車両が私を出迎えてくれました。
それが、東北・上越新幹線で活躍していたE1系の先頭車両です。
新幹線の歴史の中で初めてオール2階建てを実現した特徴のある車両。新幹線の中でも破格の大きさを誇ります。その収容力から通勤通学輸送に絶大な効果を誇り、東日本新幹線の高密度輸送を支えました。
ですが、あまり使い心地のいい車両ではなく、6編成という少数で生産が終了。2階建ての役割は後継のE4系に譲り渡すことになりました。2012年に引退し、2018年に鉄道博物館に搬入されました。
そんなE1系ですが、こうしてみるとまあデカイ。新幹線の建築限界ギリギリで作られたダブルデッカーは壮観そのものです。
加えて現役時代は車輪と同じ高さで車両を見たことがなかったので、こうして低い視線からE1系を眺めるというのも中々新鮮なものです。
現役中は中々不遇な車両でしたが、今こうして安住の地を見つけられて良かったものです。末永く愛されてほしいです。
なお、E1系の展示スペースの横には現役車両が自力入線して、展示されるスペースがあるのですが、今回は「軌陸車」と呼ばれる軌道と道路の両方を走ることが出来る特殊なトラックが展示されていました。てっぱくマークが付いている、ということは鉄道博物館の所属の軌陸車なのでしょうか。
展示されている状態ではトラックモードでしたが、それでもしっかりと車輪が観察できました。道路と軌道を走れる変わり種だからこその機構ですね。
この時だからこそ見れる車両で嬉しかったです。
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400系とE5系が並ぶ南館
さて、E1系と軌陸車を見た後は南館に入ります。私にとっては初体験の南館、どんな展示が待っているのでしょうか。
南館に入って目に飛び込んでくるのが400系とE5系のコンビ。
400系は山形新幹線の初代車両。200系をそのまま小さい車体にした車両で、ミニ新幹線の元祖となりました。
で、この400系、引退した新幹線の中で唯一乗車したことのない形式。なので車内に是非とも入りたいと思っていました。しかし、
新型コロナの影響で車内に立ち入ることが出来ず…。これはショックだったなぁ…。
400系だけでなく、他の展示車両も軒並みこの状態になっていました。しょうがないこととはいえ、乗り込めなかったのは少し悲しいものがありました。乗車体験は感染拡大が収まってからにしましょう。
400系の隣に腰を下ろすのがE5系の先頭車。こうして目線を低くして眺めるととても複雑な先頭形状であることが分かります。
といってもこのE5系は、博物館のリニューアルに合わせて作られた実物大モックアップ。つまり模型です。走行機器はなく、一度も走行することなく鉄道博物館で展示されることになりました。
ですが、その車体は本物と一緒。グランクラスまで全く同じ仕様で作られています。実際にグランクラス体験イベントまで行われたとか。
この新館のためにわざわざ新造した…、JR東日本にとって、E5系がそれほど重要で大切な立ち位置にいる形式であることが良く分かります。
ちなみに、先述したとおり走行機器類はないので、床下は空っぽ。これはこれで中々新鮮なものです。
しかし、E5系の車体を支える台車はかなり使い古されているように見えます。Twitterからの情報によると元は廃車されたE2系の台車なのだとのこと。
てっぱくでのE2系の展示はしばらくの間ないようですが、意外な形でE2系が生きているのですね。
ちなみに、2階から400系とE5系の姿を眺めることが出来るのですが、ミニ新幹線たる400系とフル規格新幹線たるE5系では大きさがかなり異なることが良く分かります。
長さ(400系=20m、E5系=25m)だけでなく、幅も400系の方が小さいので、かなり小ぶりに見えるんですね。こうしてフルとミニの大きさの違いを目で見て確かめられるというのも特徴的な展示方法だと思います。
ちなみにE5系の横には209系のカットモデルが。確かリニューアル前は北館一階にあったはず。感染症拡大に伴いイベントは中止されていましたが、車掌体験ができるみたいです。
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充実のラーニングスペース
このほかにもラーニングゾーンには鉄道に関するシステムの解説・展示が多数設置されていました。踏切などは警報装置を自由に押すことが出来ます。
見た雰囲気だと、昔の北館にあったラーニングスペースの展示をそっくりそのままこちらの移動させたように思えました。
その中で個人的に一番興奮したのがこれ、ベッド。というのも私、アルバイトで駅員をしていた経験があり、駅の裏側に入ったことのある人間なんです。その中には仮眠用のベッドもあるわけで。私は利用したことはありませんが、こんなマニアックなところまで再現されているのか!と驚いたものです。
2階の設備がこちら、未来の鉄道技術について学ぶことが出来るスペースです。2階廊下と一緒に合わせて設置されています。
しかし、こう言ってはなんですが、新館の中でも少し寂しいエリアのように感じてしまいました。
というのも、展示ケースがサイバーチックな形をしているだけで、そこまで展示内容が未来的かと言われると、そうでもないような…。鉄道業界に取り入れられていないだけで、基本的にどこかで見たような技術が並びます。実際あまり人もいませんでした。
このブースでは、自分のアバターを作って遊べるのですが、これも任天堂のMiiそのもの。多分任天堂が協力したのでしょうが、これも意味があるのか…。
一方の3階の歴史展示エリアは、かなり見どころが満載で、鉄道史について非常に良くまとめられており、見ていて飽きない展示が続きました。やはり実物を見るのが一番です。
歴史資料室には恐らく本館だけでは展示しきれなかった貴重な資料が所狭しと並び、旧国鉄の銘板や速度記録達成の記念プレートなどを眺めることが出来ました。ひかりプラザでも見たこのプレートがここでも見られるとは。
中にはオリエントエクスプレスの列車銘板という変わり種も。予想以上のボリュームと質だっただけに、とても楽しめたエリアでした。
他にも、新館よりさらに奥に行くと軽い公園のような施設が。普段はミニ列車が公園を周回しているようですが、今回はコロナでお休みでした。
その奥では成田エクスプレスのE259系が試運転中。こうして試運転をしている姿を横で見られるのも鉄道博物館の面白いところです。
以上、鉄道博物館探訪録・前編でした!リニューアルによる新規展示が目に新しく、大人の私でも非常に楽しめる内容でした。今度はコロナが収まってから、のんびりその車内について覗いてみたいですね。シミュレーターなどもやってみたいです。
そして、リニューアルに伴い新しくなったのは南館のエリアだけではありません。既存施設の本館、そして北館も立派に新しくなっていました。次回は本館と北館について取り上げます。
それでは今回もお読みいただきありがとうございました!