漫画「亜人」の感想

 桜井画門作・亜人の感想です。


亜人(1) (アフタヌーンコミックス)

あらすじ
 17年前、何をしても決して「死なない」人間「亜人」が現れた。時は流れ高校生の永井圭は平凡な日常を過ごしていたが、事故に遭い即死。しかし直後に復活し、圭は亜人である事が発覚。国家組織からの逃亡が始まった。さらにその過程で圭は「亜人の人権を守るために闘う」謎の亜人・佐藤と接触する。
 国家・個人の思惑が入り混じり、たった数人の亜人に社会は掻き乱されていく。

感想
 人類最高にして最大の夢の一つである「不死」をここまでバイオレンスに表現した漫画は無いでしょう。

 普通漫画や小説で「不老不死」をテーマにすると、必ず死ねないことの虚しさ、終わりのないことへの絶望感が描かれるものですが、この漫画ではむしろ「殺せない」に焦点が当てられ、一部の凶悪な亜人が不死を利用して普通の人間を薙ぎ倒す様は「不死」が実現した時の弊害そのものの様に感じらました。
 「不老不死」が果たして人類にとって恩恵をもたらすものなのか、そんなことを考えてしまいます。

 またアクションシーンがすごく上手に描かれてるんですよね。流れるように亜人や人間達が銃撃戦を繰り広げていて、見ていて飽きることはありません。亜人を眠らせるための麻酔銃が左上にヒットしてもすぐに腕を切り落として右手で拳銃を撃って敵を仕留める佐藤の姿。あれは本当に興奮します。その後、拳銃で頭を撃ってすぐに回復するのもまた高ポイントです。
 ちなみに、私が一番燃えたのが旅客機をハイジャックして建物に突っ込むシーン。飛行機で建物を破壊した後に死体の山から佐藤が蘇るシーンは震えました。その後のSATとの戦いもテンポがよく、何度も読み返す名シーンです。

 それになりよりも亜人は「死なない」だけでなく、死ぬ時に体の一部が何処からか再生される能力を利用して、未知の物質を生み出しさらに操ることが出来る設定も非常に上手いと感じました。
 一部の亜人は自分の分身として「IBM」という人型の物質を数分間発現、操作することが出来るのです。
 「不死」と関係ないとお思いでしょうが(実際作中でも主人公がそう言っていた)、亜人は粉微塵にされても蘇る生き物です。体がバラバラになれば遠く離れている肉片は何もないところから生成されます。亜人はどうもIBMという物質で体が構成されているらしく、それを自分の分身のように操って様々なアクションを取ることが出来るのです。
 「死なない」という設定において誰も気付かないようなところを突いてきた。それが亜人がほかの「不死」をテーマにした物語と違うところです。

 また、亜人を巡る日本政府の動きも見ていてハラハラドキドキします。裏で黒い繋がりを持たせ、亜人の不死性を利用した非人道的な人体実験の数々。そして金や地位欲しさに暴走する政府官僚たち。それに復讐するかのように牙を剥く、亜人達の破壊行為。
 一体物語はどこへ向かうのか。全く分からないからこそ興奮する。それが漫画「亜人」の魅力であると思います。

 というわけで今回は漫画、亜人の感想でした。

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